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君知るや彼の国 山の道
立ち渡る霧のうちに 騾馬は道をたずねて
嘶きつつ彷徨い 広き洞の中には
いと年経たる龍の ところ得顔に棲まい
行き帰る白波の 岩より岩を伝う
彼の懐かしき山の道を
彼方へ 君と共に行かまし
君知るや彼の国
檸檬の木は花咲く 暗き林の中に
黄金色のシロトンは 枝もたわわに実り
青く晴れし空より 涼やかに風吹き
ミルテの木は静かに ロウレルの木は高く
雲に聳えて立てる その国を
彼方へ 君と共に行かまし
参考文献 ゲーテ 「ヴィルヘルム・マイスター修業時代」より第3巻第1章